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北風と太陽

目次

開かないお扇子

いよいよ私の日本舞踊初体験の日がやってきました。その日のことでよく覚えているのは、なかなか開くことができなかったお扇子のことです。

華音先生からお借りしたお扇子は、水色と白色のお扇子でした。

レッスンに参加する皆様が集まり、時間になりました。挨拶、自己紹介も無事に終わり、レッスンが始まります。
軽いストレッチとすり足に始まり、お扇子の開き方の説明になりました。

右手でお扇子を持ち、左手てのひらに紙側の部分をのせて、右手親指で1番上の骨組みを前に押します。
バババ、という音ともに華音先生のお扇子が開きます。
少し離れたところで見てましたが、華音先生が力を入れずに優しく開いてるのがよくわかります。

そうですよね。こういうのって北風じゃ開かないですよね。やっぱり太陽じゃないと。
私は心の中で、わかったようにつぶやき、お扇子を開こうとしました。

開かない?開けない?

私はさもできるように、スススッ、っとお扇子を開くイメージで1番上の骨の部分を押しました。


ん?

開かない…

私は仕切り直して再度、骨の部分を押します。
あれ?

こういうのは力じゃなく、構造を理解して、優しく押してあげれば……

開かない…

お扇子は開く仕組みで作ってあるのだから、構造に
のっとって、前に軽く押してあげれば……

どうにも開かない…

押す場所がよくないのかな?

私は押す部分を右にずらしたり、左にずらしたりしましたが、やはり開きません。
お扇子が開かないから、開こうとして、どんどん力を入れて押してるのが自分でもわかります。
このまま、力任せに開こうとしてお扇子を壊してしまいそうな勢いです。
焦ってます。
でも開きません。

華音先生もレッスンに参加してる皆様も、心配そうにこちらを見ています。

私は皆様に、心配いらないですよ、ほら開きました。とお見せしたかったのですが、やはり開きません。

思い出すと恥ずかしい

私は焦りから北風になっていきましたが、やはりお扇子は開かない…

そんな私を見かねた華音先生は、私の横に来て、もう1度実演しながら説明してくれました。

華音先生がお扇子を開く動作を見ながらその動きを真似します。再チャレンジです。
そして、なんと!私はお扇子を開くことができました。

私は自分のセンスのなさと皆様をお待たせしてしまった恥ずかしさ、また、なんとかお扇子を開けたこともあって、苦し紛れに、わかったようなことを言ってしまいました。

やっぱり、こういうのは北風じゃダメなんですね、太陽じゃないといけないんですね。
それを聞いた皆様と華音先生がリアクションに困ってるのがわかりました。
今、こうして思い出すと、恥ずかしいですが、笑える思い出です(笑)