不知火検校
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しらぬいけんぎょう
不知火検校
不知火検校という物語は、目の見えない按摩さんが悪事を重ねて地位を上げていくという物語でございます。
私がこの物語を初めて知ったのは、当時の松本幸四郎さんこと、当代松本白鸚さんが、新橋演舞場で、この目の見えない按摩さんを演じていたのを観た時でした。
この物語の主人公の目の見えない按摩さん
とっても悪い人なんです
歌舞伎を観るにあたって、歌舞伎の1つの見どころといいましょうか、魅力といいましょうか
歌舞伎の文化の一つ、悪人の主人公を観ることができるのも、非常に魅力的です。
悪の華とはよくいったものです
歌舞伎の大スターが演じる悪人の主人公は華があります。
つい見てしまう、見たくなってしまう、目が離せない。
とてもドキドキワクワクハラハラします。
中村芝翫さん
私が新橋演舞場で、この不知火検校の物語を観た時、なまくびの次郎という男を、当代中村芝翫さんこと、当時の中村橋之助さんが演じていました。
この、なまくびの次郎という男を演じる当代中村芝翫さんが出てきますと、なんだかこの人のことをもっと見たくなってしまいます。
つい見てしまう、もっと見たくなる、そう、これは華です。
なまくびの次郎を演じてるのが中村芝翫さんだから見たいわけではなく、つい見てしまう、もっと見たくなる、なまくびの次郎という男が、中村芝翫さんということでした。
なんだか、この人が声を発すると、その音が心地よく、今でも覚えているのは、
あーばーよー
という台詞です。
この人が主役を演じるお芝居も見てみたい、そう感じる、アバヨ、でした。