BLOGブログ

ブログ

日本舞踊と雅楽2

目次

大陸系の楽舞

現在において、雅楽は三つに大別されるということでございます。

前回の日本舞踊と雅楽では、その1つの国風歌舞、いわゆる、くにぶりのうたまいのお話しでしたので、今回は大陸系の楽舞のお話しでございます。


大陸系の楽舞

5世紀頃から9世紀頃までの間に、アジア大陸から伝わった楽舞をもとに日本で作られた、中国、天竺、林邑系の唐楽と、朝鮮半島、渤海系の高麗楽ということでございます。

インド・ベトナム地域や、シルクロードを西にたどった地域から伝来した音楽や舞も含まれるということでございます。


それでは、聞き慣れない言葉を調べていきたいと存じます。

天竺と林邑系の唐楽

天竺とは

てんじくというのは、西遊記でもおなじみの、中国や日本が用いたインドの旧名でございますが、現在のインドとは、位置が少し異なるようでございます。


林邑とは

りんゆうとは、現在のベトナム中部に200年から750年頃まで存在したチャム族の国家でございます。

チャム族は、主にカンボジアやベトナムに暮らしいる民族でございます。


そして唐楽というのは、中国から日本に伝来した唐の時代の音楽で、9世紀以降の左右両部制による左方唐楽を指すものでございます。

左右両部制と左方唐楽につきましては、後ほど、ご説明していきたいと存じます。

朝鮮半島と渤海系の高麗楽

渤海とは

ぼっかいとは、中国東北部、朝鮮半島北部、現ロシアの沿海地方にかけて存在した国家でございます。


高麗楽とは

こまがくとは、渤海や朝鮮半島から伝わった音楽が高麗楽といいまして、左右両部制による右方高麗楽を指すものでございます。


唐楽が左右両部制による左方唐楽ということと、高麗楽が左右両部制による右方高麗楽ということでございますが、こちらの左右両部制と左方唐楽と右方高麗楽について、お話ししたいと存じます。

左右両部制

左右両部制とは、渡来してきた楽舞や楽曲が多すぎた為に、仁明天皇の時代の833年〜850年の間に、渡来してきた楽曲や楽舞を整理した、古代の楽制改革でございます。

左方を唐楽、右方を高麗楽とし

唐楽の舞を左方舞として、赤系統の装束を基調とし

高麗楽の舞を右方舞として、緑系統の装束を基調とし

今日にいたる舞楽の伝承の基礎となりました。