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重要無形民俗文化財の田楽

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重要無形民俗文化財指定の田楽

重要無形民俗文化財は、衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術など、人々が日常生活の中で生み出し、継承してきた無形の文化財のうち、特に重要なものとして、国が指定したもの、ということでございます。

今現在、重要無形民俗文化財に指定されている田楽は25件あるようです。


それでは、少しずつ見てみたいと存じます。

都々古別神社の御田植

つつこわけじんじゃのおたうえ

都々古別神社の御田植は、福島県東白川郡棚倉町八槻の、八槻都々古別神社で、毎年旧暦の1月6日に豊作を祈って、神楽などとあわせて、せりふと簡単な所作で稲作の作業過程を演じる民俗芸能ということでございます。

農の神である都々古別神社の拝殿で行われる最も古典的な豊年予祝の芸能といわれております。

杜家の神官が、楽人、舞人となり、せりふと簡単な所作で、堰の様子を確認する「せき検分」が演じられるということでございます。

さらに拝殿を水田にみたてて「代かき」という、土を細かく砕き、かき混ぜて、田んぼの表面を平らにする作業や、田おこしの後、くずれたあぜを直したり、モグラの通り道をふさいだり、水漏れなどを防ぐために、田んぼの土を塗りつけたりする、「畦ぬり」あぜぬりという作業などの田植の準備が演じられ、「田植」、そして五穀豊穣を祈る稲荷神の使いの狐の舞「天狐の舞」が舞われ、最後に昼食として参列者に餅をまくそうでございます。

制度

年の始めになどに、あらかじめ稲作過程を模擬的に演じて、豊作を祈願する芸能は、田遊びや御田などとも呼ばれ、各地に伝承されているということでございます。

多くの田遊びでは、ウシ、もしくはウマによる耕作の場があり、人間がホロを被ってウシやウマに扮し、田起こしや、代かきをみせるそうでございます。

中には、ウシが暴れる展開や、ウマを褒めて労う演出などがあるということを聞きますと、日本舞踊との関係性に非常に興味が湧いてきます。


この御田植は、神楽などともに、せりふや所作で、時には滑稽に稲作の作業過程を演じるもので、狂言を想起させる演じ方など、芸能の変遷過程や、地域によってさまざまな特色を示しているそうでございます。

日本舞踊から田楽を知りますと、日本人と稲作と芸能の深い関わりを学ぶことができ、日本各地のご先祖様が日々の暮らしの中で積み重ねてきたものが、紡がれてきたことを残していくという、重要無形民俗文化財という制度は、とても素晴らしい制度と存じます。