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• ○  鬼の物語3

鬼の物語3

動けなくなった舞踊丸がふと気付くと、向こうから
いくつもの松明の明かりが近づいてきた。

しまった！

見つかったか？


舞踊丸は結界を維持しつつ身構えた。


いや、待て…



あれは…


いくつもの松明の明かりをよく見ると、松明を手に
しているのは甲冑を着込んだ人間たちの集団…


松明を手にしてないものは、刀や弓を携えている。


野盗…


ではない。



軍隊か？

軍隊がなぜここに？








…！


そうか
なるほど、ついてるぜ。


そうとわかれば、ドサクサに紛れて脱出だ。


軍隊は都(みやこ)から派遣された討伐軍だった。


舞踊丸は、都もお宝を狙って軍隊を派遣してきたと推測した。


近づいてきた集団は、偵察にきた斥候(せっこう)部隊であった。

斥候部隊は結界を張った舞踊丸に気付かず、通り過ぎていった。


よーし！


隙を見て脱出だ！


山からの脱出の光明が見えた舞踊丸は、不思議と力が湧いてくるのだった。


続く

斥候(せっこう)