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赤坂日本舞踊潮来出島

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赤坂日本舞踊潮来出島

先日、華音先生の前で、潮来出島を披露しました。

とても緊張しました。


緊張する理由は、人それぞれあると思いますが、私の場合は、実力以上に自分を大きく見せようとする見栄と、お稽古不足による自信のなさからきてるのだと思いました。


最後の悪あがきとばかりに、披露前に密かに復習をします。

振りの確認、腰とお腹の確認、脚の確認、体の状態、手や指が思うように動くかどうか。

2回ほど復習しましたが、ズシッとくる緊張は変わらずです。

私は舞踊を精神的な成長に活かせるよう、自分の実力が理解できてない蛮勇ではなく、恐怖を克服できる勇気を備えて踊りたいと考えております。

あえて、開き直らず、自分の実力をありのままに見つめ、その時にできる限りの最善を尽くす。

まだまだそのことができておりませんが、少しずつでも意識して、習慣にしていきたいものでございます。


そして、ご挨拶も終わり、いよいよ踊ることになりました。

潮来出島の音楽がかかり、舞台の中央に進み出て、お扇子を開きますと、視線の固定が定まってないことがわかります。

この時の視線がどこだったのか、頭から飛んでいます。無の境地からは、ほど遠い状況です。

お扇子を開き、要返しをして、舟を漕ぎます。
要戻しがスムーズではありません。

腰が落ちず、脚を一歩出すたびに、体がぐらついて倒れそうです。力がしっかり伝わっておりません。

緊張からか、それとも重圧なのか、先ほどの練習とは打って変わって、体がズシリ重く感じます。
とても重いです。

このままではいけないと思い、クッと気持ちで踏ん張ります。

ああっと、これはいけない!

おそらくは、顔がとても厳しい表情になっているに違いありません。とても無の表情ではないので、力みすぎず、力を抜かなくてはいけません。

力を抜くと、今度はお扇子の先が震えています。お扇子の震えを止めようとしても、止まらない上に、力んだ姿になってしまいます。

力んだ姿はかっこいいものではないので、できる限り避けたいです。

私は自分に言い聞かせました。

怖がらずに、その緊張感と重圧を楽しみなさい。

そうだ!楽しまないと!

いや、その余裕がない。

この状態で何を楽しめと?

己の心の奥底から湧き上がってくる、内なる声を聞き、自分と対話してる状態で踊っているのを、華音先生はすべてお見通しなのでしょうか。


その状態でも、自分にできる最善のことを積み重ねていくのみと考え、ひとつひとつの振りを丁寧に運んでおりますと、曲も終盤に近づきます。


無事に終われそう

そんな考えが頭をよぎりますが、無事に終わる為にやってるのではないのと、そんなことを考え出せば、気が抜けて、ミスを誘発してしまいます。

そのようなことが頭をよぎっても、決して気を抜かず、そんな気持ちに支配されてはいけません。
そう思ったなら、より一層気を引き締めなければいけません。

油断したら、たちまち魔物に取り憑かれてしまうでしょう。

気を抜くという時がないのは当たり前だと考えなければいけません。


おかげさまで、とても貴重な経験をさせていただき、何か自分が、大きく前進できたように感じます。


また、緊張は非常に高いアンチエイジングの効果があるといいますし、寿命が伸びたことと思います。


またの機会がとても楽しみでございます。


今回、ご参加された皆様と華音先生に深く感謝申し上げたいと存じます。