完璧主義と最善主義
目次
完璧主義と最善主義
すべてが完璧でなければならないと思い込んでいるなら、あなたは非常に不幸になるおそれがある。
なぜなら、完璧であることは不可能だからだ。
もちろん、それに近づくことはできるが、完璧であることは不可能だという事実を受け入れなければならない。
朗報を紹介しよう。
あなたは完璧である必要はない。
完璧主義をやめると、大きな恩恵を得ることができる
ハーバード大学の心理学者タル・ベン・シャハー博士は、完璧主義ではなく「最善主義」を提唱している。
完璧主義が一時的な満足をもたらすのに対し、最善主義はそれよりはるかに高い永続的な満足をもたらす。
もちろん、どんなに最善を尽くしても、ときおり挫折を経験することは避けられないが、適応力があるから、状況にうまく対処できる。
全か無か
完璧主義者にとっては、物事はいつも全か無かである。
たとえば、完璧な書類を提出するか、何も提出しないか。
完璧な本を書くか、何も書かないか。
このように完璧主義は非常に好ましくない態度であり、自滅を招くおそれすらある。
ただし、完璧が求められる状況もある。
たとえば手術のように命に関わる状況がそうだ。
しかし、多くの場合、完璧である必要はない。
具合の悪いことに、完璧主義者は自尊心を台無しにする。
なぜなら、自分は失敗しているという思いがつねにつきまとい、自分をすんなり受け入れることができなくなるからだ。
たえず自分を失敗者とみなしていると、健全な自尊心をはぐくむことは至難のわざになる。
完璧主義者は思い切って何かに挑戦しようという意欲に欠けるから、いっこうに充実感が得られず、成功と幸福を手に入れることができない。
完璧主義者の弊害
完璧主義者は人間関係でもうまくいかない。
なぜなら、周囲の批判に非常に敏感なために、たえず身構えたしまうからだ。
さらに具合の悪いことに、自分のパートナーにも完璧を期待するので、相手を受け入れられずに不満を抱きやすい。
完璧主義者は不安とストレスにさいなまれる。
なぜなら、失敗するのではないかと、たえず恐れているからだ。
完璧主義者は大切なことを先延ばしにする傾向がある。
なぜなら、行動を起こさないかぎり、失敗せずに済むと考えているからだ。
たとえば、完璧ではないという理由で書類を完成させようとせず、いつまでもグズグズする。
だから生産性を高めることができない。
では、完璧主義はどうすれば克服できるだろうか?
完璧主義は克服できるだろうか?
1・自分が完璧主義に陥って行動を起こせずにいることに気づく。
2・失敗しても、1年後、あるいは10年後に大きな意味を持つかどうか考える。
3・失敗しても再挑戦すればいいという風に気持ちを切り替える。
4・自分の弱みを受け入れ、完璧でなくてもいいと考えて行動を起こす。
5・自分が最善を尽くしている様子をイメージする。
6・課題に一生懸命に取り組み、「よくない部分はあとで改善すればいい」と考える。
7・あまり考えすぎずに思い切って取りかかる。
8・たとえ完璧にできなくても、自分にもっとやさしくする。
もちろん、これは手を抜いてもいいという意味ではなく、最善を尽くすかぎり、完璧にできなくてもいいという意味である。
もし、自分が完璧主義に陥ってることに気づいたら、以上の点についてよく考えてみよう。
気をつければ、完璧主義は徐々に直る。
偉人の言葉
完璧主義者は「する価値のあることは、へたでもいいからする価値がある」という格言を知らず、「よくやった。これで上出来だ」とは絶対に言わない。彼らは想像の喜びを知らないのだ。いや、人生の喜びを知らないと言ってもいい。完璧主義はじつに深刻な問題だ。
ジュリア・キャメロ
何かに取りかかる前に、それを完璧にしようとして膨大な時間を費やしている人があまりにも多い。完璧でなくてもいいから取りかかり、あとで修正すればいいのだ。
ポール・アーデン
完璧主義者者は創造性を抑圧し、卑屈で不満の多い生涯を送るはめになる。
一方、健全な努力家は創造性を存分に発揮し、快適な人生を送ることができる。
アン・ラモット