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スーパー高齢者の秘密5

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狩猟採集民の炎症状態

いっぽうで、狩猟採集民の炎症レベルはどうでしょうか?

1989年、人類学者のスタファン・リンデベリ氏は、パプアニューギニアで暮らすキタヴァ族のフィールドワークを行いました。

キタヴァ族は、漁獲とイモ類の栽培で暮らす伝統的な部族で、いまの地球上でもっとも旧石器時代のライフスタイルに近い暮らしをしています。

調査の目的は、キタヴァ族の健康状態を調べることでした。

1960年〜70年代に行われた先行研究のデータから、「先進国よりも狩猟採集民のほうが健康ではないか?」という仮説が提唱されていたからです。

仮説の検証

そこで220人のキタヴァ族に血液検査を行ったところ、果たして仮説どおりの結果が得られました。

キタヴァ族が脳卒中や動脈硬化にかかるケースはなく、糖尿病の発症率はおよそ1%ほど(日本の発症率は15%)

80代の高齢者が認知症にかかることもなく、癌の割合もほぼゼロに近い状態でした。

この他のフィールドワークでも、伝統的な部族には慢性炎症に由来する病気がほぼ存在しないと報告されています。

狩猟採集民たちは、まことにうらやむべき健康体を維持しているようです。


(続く)