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スーパー高齢者の秘密8

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現代人の腸

あなたには数年来の親友がいるとしましょう。

2人は生まれてからずっと一緒で、ほどなく共同で暮らすようになりました。

あなたは友人に住む場所を提供し、そのかわりに友人は炊事や洗濯をすべてやってくれます。

もはや、あなたは友人なしで生活ができません。

そんなある日、関係に異変が起きます。

あなたは、今まで助けてもらった恩を忘れて友人を自宅から追放。

それでもめげずに戻ってくる友人を、何度も何度も追い出し始めたのです。

なんともひどい話しですが、実はここ数十年、人類は同じような過ちを繰り返してきました。

その友人とは、「腸内細菌」のことです。

腸内細菌は、ヒトの消化器官のなかに住みつく様々な微生物で、ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌や乳酸菌が有名です。

その数はおよそ100兆から1000兆で、これは人体のすべての細胞の数を超えます。

その全容はまだ解明されていませんが、腸内細菌の働きぶりは凄まじいものです。

腸内細菌の働き

たとえば、腸内細菌は、アミノ酸や食物繊維などを材料にして、ビタミンB群やビタミンKといった重要な成分を合成します。

おかげで私たちは、主要なビタミンの欠乏症から免れることができています。

他にも栄養の吸収を助けたり、食物繊維を分解してエネルギーに変えたり、脂肪酸を育成して腸壁を守ったりと、その活躍は八面六臂。

いずれも私たちが健やかに暮らすために欠かせない機能で、腸内細菌なしで人体は正常に働きません。

数ある腸内細菌の働きのなかでも、もっとも大事なのが「外敵との戦い」です。

腸管は栄養の吸収を行う為の器官ですが、いっぽうでは細菌やバクテリアなどの脅威にさらされています。

人間の腸は、栄養を体内に送り込むと同時に外敵が体内に入り込むのを防ぐという、非常に難しい役目を任されているわけです。

そんな中、腸内細菌は兵隊として働きます。

免疫システム

まずは善玉菌が腸内に巨大なコロニーを作り、敵に立ち向かうための前線基地を設営。

そこで栄養素をもとにバクテリアを駆除する武器を作り出し、腸管からの侵入をブロックするのです。

同時に、腸内細菌は食物繊維から酪酸という脂肪酸を生産し、これで有害物質が体内に入り込むのを防ぎます。

腸内細菌がなければ、私たちの免疫システムは攻撃も防御もままなりません。

ところが、人類の暮らしが近代化するなかで、このシステムに不調が出てきました。


(続く)