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スーパー高齢者の秘密9

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リーキーガット

人類の暮らしが近代化するなかでの免疫システムの不調、その根っこにあるのが、「リーキーガット」という症状です。

これは腸の細胞に細かな穴が開いてしまう現象のことで、日本語では「腸管壁浸漏症候群」と呼びます。

腸の粘膜をつなぐ結腸細胞が壊れて、バリア機能が破れた状態を意味しています。

いったんリーキーガットが起きると、腸の穴から未消化の食物やエンドトキシン(毒素)などの有害物質が血管に侵入。

これに反応した人体は免疫システムを作動させ、体内のあらゆるエリアに慢性的な炎症を発生させていきます。

こうなってしまうと、どんなに健康的な生活をしても、なかなか効果は出ません。

いくら野菜を食べようが、毎日8時間ずつ眠ろうが、腸のバリアを突破した毒素が体内で暴れ続けるからです。

謎の疲れに効果的なもの

リーキーガットはアレルギーや認知機能の低下など様々な症状を起こしますが、なかでも重要なのは「疲れやすさ」との関係性でしょう。

2016年、コーネル大学の研究チームが「慢性疲労症候群」に悩む患者の腸内細菌を調べる研究を行いました。

「慢性疲労症候群」は少しの作業でも疲れきってしまう作業を指し、掃除や洗濯のような日常的な家事でも精神と体力を消耗していきます。

一晩寝ても疲れが取れず、激しい頭痛や記憶力の低下などが起きるケースも少なくありません。

その実数は不明ながら、厚労省の調査では、38.7%の人が慢性的な疲労を報告。

1960年代とくらべれば、「謎の疲れ」に悩む人の数は激増しています。

コーネル大学の研究結果は、慢性疲労と腸内細菌の関係を強く示していました。

慢性疲労症候群の患者は健康な人にくらべて腸内細菌の種類が少なかったうえ、疲れやすい人ほど体内の炎症レベルが高く、リーキーガットの割合も多かったのです。


この結果をもとに研究チームは、現代人の謎の疲れに対して、食物繊維やヨーグルトが効く可能性を示唆しています。


(続く)