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疲れを癒す自然と友人3

目次

古代ローマ帝国

さらに、この時代には、定期的な奴隷の反乱や北方のゲルマン語による侵攻が頻発しており、ローマ市民といえども安定した暮らしを謳歌できていたわけではありません。

この点から見れば、古代ローマは歴史上もっとも「興奮」と「脅威」の振れ幅が大きかった時代と言えます。

ここまで極端ではないものの、現代の都市も「興奮」か「脅威」のどちらかに触れやすい性質を持っています。

巨大なショッピングセンターやカラオケなどの娯楽施設がささやかな興奮を提供しつつも、仕事のストレスや経済的な問題により、いつも脅威の感覚がかきたてられ、濃密なコミニケーションが減った影響で安らぎの感覚は低下傾向にあるからです。

ポジティブな感情が多すぎても、ネガティヴな感情が少なすぎても、私たちの体はうまく機能しません。

そのためには、できるだけ自然とのふれあいを取り戻し、失われつつある感情システムのバランスを正していくのが良いでしょう。

寿命が延びる

孤独だった人に友人ができると寿命が延びる。

「友人を大切に」と言われれば、古臭い道徳訓のように響くかもしれません。

しかし、ここ数年のデータは、いずれも良好な人間関係がもたらすメリットをはっきりと示しています。

代表的なのは、ブリガムヤング大学による2010年のメタ分析です。

研究チームは、過去に行われた「孤独と健康」に関する研究から31万人分のデータを精査し、人間の寿命を延ばす効果が高い要素を抜き出しました。

その結果は、「良好な社会関係」の数字がずば抜けており、孤独だった人に友達ができた場合は最大で15年も寿命が延びる傾向があったとのこと。

健康への効果はエクササイズやダイエットの約3倍に当たり、なんと禁煙よりも「友人」のほうが影響が大きいというから衝撃的です。